ホーム > 統計資料
COPDに関する統計資料
日本におけるCOPD死亡者数
厚生労働省の統計によると2015年のCOPDによる死亡者数は15,756人でした。COPDは20年以上の喫煙歴を経て発症する病気です。日本でも20年以上前の喫煙率上昇の影響がCOPDの死亡率を高めていると考えられます。いまだ喫煙率が高く、喫煙開始年齢が若年化している日本では、今後さらに患者数が増加することが懸念されています。
これまで、男性の喫煙率が高かったため死亡数も男性の方が多いですが、最近では女性の喫煙率も高くなりつつあるので、今後は女性の死亡率が増加すると考えられます。また、女性の方がCOPD発症リスクが高いという報告も発表されています。
参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
日本におけるCOPD死亡者数(1996-2015年)

(出典:厚生労働省 人口動態統計)
日本におけるCOPDの死亡順位
厚生労働省の統計によると2015年のCOPDによる死亡順位は全体で10位となっています。性別にみると男性の方が高く、2015年は8位でした。
今後の見通しとして、COPDの死亡順位は確実に上がると予想されており、その理由として以下のことが考えられます。
- 心疾患や感染症などの他の原因による死亡の減少に伴ってCOPDは順位を上げていく。
- 現在、心不全、肺炎で死亡したとされている人の中にCOPD死が含まれると考えられるため、COPD診断率の向上によりCOPD死はランキングがさらに上がる。
参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
順位 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
1位 |
悪性新生物
|
悪性新生物
|
悪性新生物
|
2位 | 心疾患 (196,113人) |
心疾患 (92,142人) |
心疾患 (103,971人) |
3位 | 肺炎 (120,953人) |
肺炎 (65,609人) |
老衰 (63,916人) |
4位 | 脳血管疾患 (111,973人) |
脳血管疾患 (53,576人) |
脳血管疾患 (58,397人) |
5位 | 老衰 (84,810人) |
不慮の事故 (22,121人) |
肺炎 (55,344人) |
6位 | 不慮の事故 (38,306人) |
老衰 (20,894人) |
不慮の事故 (16,185人) |
7位 | 腎不全 (24,560人) |
自殺 (16,202人) |
腎不全 (12,652人) |
8位 | 自殺 (23,152人) |
COPD (12,642人) |
大動脈瘤及び解離 (8,271人) |
9位 | 大動脈瘤及び解離 (16,887人) |
腎不全 (11,908人) |
血管性等の認知症 (7,968人) |
10位 |
COPD
|
肝疾患
|
アルツハイマー病
|
(出典:厚生労働省 人口動態統計 2015年)
COPD有病率(NICEスタディ)
順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディ(2001年発表)の結果、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されました。しかし、2014年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者数は約26万人です。つまり、COPDであるのに受診していない人は500万人以上いると推定されます。多くの人々が、COPDであることに気づいていない、または正しく診断されていないことになります。また、日本人のCOPD有病率は、喫煙者と喫煙経験のある人の方が非喫煙者よりも高く、高齢者になるほど高くなる傾向があることがわかりました。
日本におけるCOPD有病率


(出典:福地ら、NICE Study. 2001年)